1.アルカリ浸漬製法とは
ヒドロキシプロピルメチルセルロースの製造方法であるアルカリ浸漬法は、ステップ・バイ・ステップ法とも呼ばれる。中国におけるこの製造法は1980年代に生まれた。ヒドロキシプロピルメチルセルロースの原料は精製綿で、場所によっては樹脂もヒドロキシプロピルメチルセルロースの製造に使われる。また、ヒドロキシプロピルメチルセルロースの組成には、メチル、プロピレンオキシド、塩化メチルなどの元素が含まれている。メチル基の含有量はセルロースエーテルの増粘効果をある程度左右する。したがって、これら3つの物質は、ヒドロキシプロピルメチルセルロースの製造工程で不可欠な原料である。
アルカリ浸漬法は、精製綿状パルプや木材パルプに苛性ソーダ液を含浸させ、絞って余分なアルカリ液を除去してアルカリセルロースを得た後、溶剤とエーテル化剤を加え、一定の温度と圧力でエーテル化反応を行う方法である。所望のエーテル化度に応じて反応終了後、中和、水洗、乾燥、粉砕等を行い、最終製品を得る。
アルカリ浸漬は以下の通り:
まず、粉砕していない薄片状セルロースを専用の含浸機に入れる。アルカリ化は6倍量以上のアルカリ液で行うことができる。余分なアルカリ液を除去した後、セルロースを強力な攪拌装置を備えた縦型反応器に投入し、約8倍量の塩化メチルに分散させる。その後、一定量のプロピレンオキシドを加えて化学反応を起こす。反応終了後、反応した塩化メチル、酸化プロピレン、副生ジメチルエーテルを回収する。熱水洗浄、乾燥、粉砕、ふるいを経て完成品が得られる。
製造方法のフローチャートを下図に示す:
2.アルカリ浸漬法で使用される主な装置:
設備名 | 備考 | 設備名 | 備考 |
セルロースアルカリ浸漬機 | / | エアードライヤー | / |
縦型リアクター | 水平リアクター が該当する | 超微粉砕機 | / |
縦型洗浄ドラム | / | 水タンク | / |
真空ベルトフィルターまたは沈降遠心分離機 | 回転式洗濯機フィルター | 計量タンク | / |
3.アルカリ浸漬製造法の主なパラメーター:
項目 | 消費枠の参考 | 項目 | 消費枠の参考 | ||
原材料 | セルロース/T | 0.94-1.00 | パワー | 水/t | 50.00-60.00 |
40% アルカリ液/T | 2.00-2.20 | 電力/kWh | 2000-2500 | ||
塩化メチル/T | 1.20-1.50 | 蒸気/t | 9.00-10.00 | ||
プロピレンオキシド/T | 0.20-0.23 |
4.アルカリ浸漬製造法の長所と短所
アルカリ浸漬法で製造されたHPMCは、12時間の完全な反応を経るため安定性が良い。最終製品中の不純物の数は非常に少ない。したがって 高純度HPMC が得られる。
しかし、この製造法では分散剤として塩化メチルを多量に必要とし、所望の反応圧力は3.0MPaまでである。反応終了時には、大量の塩化メチルとジメチルエーテルを回収する必要がある。原料消費量と下水中の化学的酸素要求量(COD)が高い。この製造方法から得られる最終製品の品質は保証されている。しかし、人手、材料、時間のコストがかかるため、完成品の価格は高い。
また、アルカリ浸出法の操作は断続的な操作を必要とし、製品の品質が安定しない。改善された方法は、連続的なアルカリ化とエーテル化、精製技術を使用することです。次回は、ヒドロキシプロピルメチルセルロースのもう一つの製造方法である 液相製造法スラリー製法とも呼ばれる。この製造方法のプロセスフローとメリット・デメリットを簡単にご紹介します。
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